これまでの話題

「日本のコロナ感染が激減の理由」 2021年11月

   日本ではコロナの新規感染者が大幅に減ってきた。大きな要因はワクチン接種者が全人口の80%にも達したのは大きいが、外国へ目を向けると同程度の接種率の先進国では過去最大の新規感染者が出ている現状からは説明できない。
   弊社では工場管理の手法の一つに「5S」をはじめとする「日本式工場管理」を推奨してきた。日本式工場管理とは5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾習慣)が原点であり、さらに決められた標準作業を徹底的に習得し忠実に実行していくことである。
   今回のコロナ対策には日本式管理とは謳ってはないものの5Sに準ずる「手洗い・うがい・アルコール消毒」から「マスク着用」「黙食」など全日本人が徹底して実行してきたからと推測できる。新規感染者が1桁の都市ですらマスクは当たり前で一人で車を運転中でも車内でマスク姿を見かける。これらの行動が日本の新規感染者を激減させた要因であろう。
   今回のコロナの状況を鑑みて「日本式工場管理」は品質や生産性向上そしてコロナ対策にも確実に寄与できることを再認識できた。

「業務渡航が困難に」 2020年12月

   今年(2020年)1月から中国で発生した新型コロナウイルスの世界的な蔓延により日本からの渡航で注意喚起や世界各国での入国制限が始まった。
   これまで中国や台湾などは短期滞在のビザ免除が一時的に中止されただけでなく、商務ビザを取得しても入国時には出国前のPCR検査で陰性証明が義務付けられ、入国してから2週間の行動制限などという業務出張に関しては極めて厳しい条件が果たされている。
   2003年のSARSの時も感染力が強くて苦労したが渡航制限まではなく約半年ほどで終息した。今回はまだ当分はこのような規制が続くものと思われまた、航空便も国際線はほとんどの便で欠航が続いており、渡航の見通しは立っていない
   このような中で海外工場に対する支援活動をオンラインだけで現場に密着した業務を遂行することは極めて困難な状況になってしまった。

(本情報は2020年12月現在のものである)

「どうした?日本のものづくり」2018年6月

   昨年(2017年)から日本の大手自動車メーカーや鉄鋼メーカーなどで品質に関わる不祥事が相次いで起きた。自動車A社が法令で決められた最終検査を無資格者が行っていた問題はリコールとなった。さらに自動車B社も長年、無資格検査を行ってきたと発表した。
また鉄鋼メーカーC社は製品の品質データ改ざんについて釈明し10年前からアルミや銅などの強度を示す検査証明書のデータを書き換えてきたと発表した。こうしたことはJIS認証の取り消しや社長の退任だけではなく日本のものづくりに対する世界からの信頼を大きく損なうことになろうとしている。
しかし一方では世界規模で進む市場競争や過酷なコストカットの中で否応なく進む社員の老齢化が品質を誇りにしてきた管理監督者や専門家の定年退職者によりこれらの人材が希薄なってしまったことも一因であろう。

  弊社ではこれまで生産工程で発生した品質問題について現場における不良解析や工程上の品質保証体制の見直しさらに統計学的な見地から技術的に対応をしてきた。しかし今回の事例では単に現場で発生した問題というよりは企業としての品質に対する思想や体質にも関わる事象とも言える。
今後は品質保証に対するコンサルティングも技術的科学的な手法のみならず現場スタッフの品質に対する意識改革も対象に取り組んでいきたい。

「人手不足が深刻」2017年6月

   全国的に人手不足感から有効求人倍率(H21年0.4、H29年1.5)や賃金が上昇しており、さらに人材のスキル不足も深刻化している。コンビニや居酒屋等は早くからマニュアルを拡充させ未経験者でも短時間の研修で実戦配備が可能のようである。しかし、学術知識や経験さらに独創力が必要な技術開発業務、経営感覚や生産性向上能力が必須な工場管理などは新人を短時間で戦力化することはできない。最近は技術系の人材派遣も数多く存在してきたが専門分野が多様化しており、中々マッチングした人材の確保は難しくなってきている。
   弊社ではコンサルティングを通じて技術開発や工場管理の業務レベルの向上を図り、さらに人材育成を支援しております。また、設計業務等の業務委託も請負って人手不足に対応しております。

「廃棄食品の横流しについて」2016年2月

   大手カレー屋チェーンの廃棄食品が廃棄業者から横流しされる事件が発生した。本来、物品の流通経路を生産段階から消費段階または廃棄段階まで追跡が可能であるようにしたものがトレーサビリティであるが、これが全く機能していなかったと思われる。関心を持った消費者や小売業者がその物品の生産経歴や流通経歴を見ることができるようにしておくことは安全重視の食品業界や模造品の流通が多いキャラクター業界などでは極めて重要なことである。 弊社では品質保証の観点からトレーサビリティについても経験豊かなコンサルタントがシステムの構築から定着まで現場密着で支援を行います。

「スキーツアーバスの事故」2016年1月

   スキーツアーのバスで大きな事故が発生した。ツアー代金が激安でバスの運行会社も規定運賃を大幅に下回る価格で請け負っていたようで安全に問題があったように思われる。だが、昔から言われているように「水と安全はタダ」ではないのだ。工場でも交通機関でも「1:29:300」で知られるヒヤリ・ハットの法則、正式にはハインリッヒの法則というが、この法則を正しく理解することで様々な分野での重大事故を未然に防ぐことができるのである。1件の重大事故の背景には29もの軽微な事故があり、さらに事故につながりかねない300のヒヤリ・ハットする事例が起きているのだ。このヒヤリ・ハットする事例を一つずつ撲滅してこそ大事故を防ぐことができる。「安全第一」は標語ではなくコストをかけキチンと対策をしていくことが極めて重要と言える。

「マンションの施工不良」2015年10月

   横浜市のマンションで杭打ち工事の施工不良が原因と思われる建物が傾くということが発生しました。当時、杭打ち担当者や現場監督者はどのような作業を行ってきたのかが問われております。しかし、人間は恣意的であろうが無意識であろうが錯誤を犯すものであり、設備や計測器には故障やトラブルがつきものです。そこで弊社の基本スタンスとしてはたとえ作業者のミスがあろうが、設備不良が発生しようが、品質不良を後工程まで引きずる事がないように工程ごとに品質を抑え込むシステムを構築して行くことを提案し実践しております。これは長年にわたり現場に携わっているコンサルタントならではの職人魂でもあります。

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